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電王戦第五局 ▲三浦弘行△GPS将棋

随分放置してしまったけど、ぼちぼち再開しようかなと思います
もうこの記事を書かずに次の話題に移ろうかなと少し迷いました
しかし、それも体裁が悪いのでちゃんと書いてから再開します

もうご存じでしょうが、三浦八段は負けました
三浦八段に勝ったということは、トップ棋士にまったく引けを取らないということ
今回670台の大規模クラスタ構成で臨んだGPS将棋ですが
たった1台でもタイトル挑戦クラスの若手棋士に18連勝したという情報もあるのです
三浦八段であっても、羽生善治、渡辺明、森内俊之であっても、こんな真似は至難
それが670台…


▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲6七金 △4一玉 ▲7八金 △5二金 ▲6九玉 △3三銀
▲7七銀 △3一角 ▲3六歩 △4四歩 ▲7九角 △7四歩
▲3七銀 △6四角 ▲4六角 △7三銀 ▲7九玉 △3一玉
▲8八玉 △8五歩 ▲2六歩 △1四歩 ▲1六歩 △2二玉
▲2五歩 △4三金右 ▲6八角 △7五歩 ▲同 歩 △8四銀
denou 05 01

戦型は相矢倉、序盤早々に角をぶつける脇システムと呼ばれる形
主流ではないが有力で、三浦八段の得意な戦法です
1筋の突き合いを見て角を引き、改めて棒銀で端を狙いに行きます
そこで△7五歩 ▲同歩 △8四銀と後手から先攻
これが実は脇システムにおける新手で、今まで公式戦には現れていなかったそうです
つまりGPS将棋は資料なしに独力でこの手を選んだわけで
いずれは新たな定跡もコンピュータが見つけていくという未来も予感させます
個人的にはなんだかロマンがないように思ってしまうのですが



▲7四歩 △7五銀 ▲7六銀 △同 銀 ▲同 金 △7五銀
▲同 金 △同 角 ▲7七銀 △6四角 ▲7六銀打 △7二飛
▲6七金
denou 05 02

新手を指した事実はともかくとして
この手自体が恐ろしい狙いを秘めているかというと、そうとも思えず
無難に収めようと思えば出来たと思います
しかし互角では勝てないと考えたのか、三浦八段は徹底抗戦を決めました

まず歩を逃がして持ち歩を渡さずに角銀桂の活用を制限します
そしてなんと、自ら銀をぶつけ、金も交換と、恐ろしい順に踏み込んでいきます
そして得た2枚の銀も自陣に打ち付けて角を追い返し、7八の金まで盛り上がっていきます

ここまでやるからには狙いは明らか
後手の攻め駒を全滅させて入玉してしまおうというのです
勝っても負けても大差の展開がほぼ確定しました



△8四金 ▲6五歩 △8二角 ▲6六金 △7四飛
▲7五歩 △7二飛 ▲8六歩 △同 歩 ▲同 銀 △7四歩
▲同 歩 △6四歩 ▲7五金 △7四金 ▲同 金 △同 飛
▲7五歩 △7一飛 ▲8三金
denou 05 03

ここで打った△8四金は勢力の均衡を保つ好手でした
対して三浦八段は▲6五歩と角を追い(玉側に引くと▲4六角)、
玉頭の歩を突いて要の金に働きかけていきます
GPS将棋は7筋を叩いて6筋から角を使いに来ました
対して▲6四同歩 △同角の展開は角を切られて受けきるのは難しい
とにかく要の金を盤上から消しに行きます
このあたりまでは三浦良しの声も多かったのですが…

図の▲8三金が厳しい手に見えて危険だったようです



△7三角 ▲8二歩 △6六金
▲8七玉 △8八歩 ▲8一歩成 △同 飛 ▲7三金 △8九歩成
▲7二金 △8八と
denou 05 04

何が危険だったのかというと
持ち駒に金がなくなったために次の攻めが非常に受けづらいのです
△6六金が厳しい攻め
▲7七銀では玉頭が開いて▲8一歩成もやりづらくなるので玉で受けますが
△8八歩と垂らしたのが好手
ここで▲7四歩で角を退かせて▲7五銀左から上部開拓の順も検討されていましたが
どうやらGPS将棋は▲7四歩に角を逃げずに△8九歩成と桂を取り、
▲8一歩成に△8四桂で優勢、という読みだったようです

実戦は▲8一歩成から踏み込み、▲7二金で飛車を取りに行きましたが
私から見てもあまり感触の良い手順とは思えず
相当苦しかったことがうかがえます



▲9六玉 △7六金 ▲8一金 △9四銀
▲9五銀 △7三桂 ▲4一角 △8三歩 ▲9一金 △9五銀
▲同 玉 △8四銀 ▲9六玉 △9九と ▲9五桂 △9四香
denou 05 05

飛車は取ったものの、上も下も横も塞がれてしまい
ここからは一手一手の寄せを見るばかり
ついに先手が攻める番は回ってこないままに完敗という内容となってしまいました


こうして電王戦が終幕となったわけですが、全五局を通しての感想として
プロ同士の対局以上に棋士が追い詰められていると感じました
得体が知れない、間違わない、疲れない、そして絶対に負けられない
そういったプレッシャーが大きすぎました
第一局こそうまく勝ったものの、続く二局、三局は熱戦の末に惜敗
そして四局、五局はとても普段ではやらないような作戦を選んで内容的には完敗

結果はもちろん違うけれど、対局者の個性までもが棋譜や対局姿勢に見て取れました
おそらく彼らの生涯でもトップクラスのプレッシャーがかかったでしょうが、
そのためにタイトル戦でも滅多に見られないほどのドラマチックな棋戦になったと言えます

しかし、この結果は重い…
おそらくGPS将棋は最強の棋士でも勝つことは難しいレベルにある
しかし、強すぎるからといって電王戦からは撤退という選択肢は悪手と言って良いでしょう
かといって、今回と同条件でやって、強すぎる相手を引っ張って
それをもう一回やって面白いかといえば微妙
長く続けられる形でコンピュータ将棋を取り込む勝負手が求められます
それも新規のファンが離れないように迅速に打ち出す必要があるでしょう


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